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「シトのバカ。逃げようって言ったのはあなたでしょ? それなのに助けを呼ぼうとしたら何よ!」
「……瑞樹と会ったことを知られたくないんだ」
「シト。もしかして結婚してるの?」
瑞樹は義人の瞳を見つめる。義人は一瞬小さな雷に打たれたように動きを止める。何といえばいいのだろう。神が創った空白としか義人には思えなかった。
義人は気を取り直して話し始める。
「当たりだ。瑞樹だってこんなこと家族に知られたくないだろ?」
「浮気ね」
でも今はそんなことを議論してる暇はないと義人は思った。
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