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『シト。珠樹は大丈夫なの?』
「危険な状況だ。おそらく叔父といっしょにいる」
『だったら珠樹を先に助けて』
瑞樹の切実な声。言い終えた後に嗚咽が聞こえる。
「わかった。珠樹さんを先に助ける。作戦通り十一時になったら警察に電話して欲しい」
『わかったわ。珠樹のことお願い』
「心配するな」
義人はそう言うと一旦電話を切り、心霊ハンターの向井に電話をする。
『はいはい、スカンクです。どなたですか?』
スカンクは向井のチャットでのハンドルネーム。
『シトです』
『おぉ、シトさんですか。凄い情報ありがとうございます。っていうかこの串刺し幽霊なんですか? 本物みたいに見えますが』
「お願いがあります。ここの様子を撮影してネットに流して欲しいです」
『シトさん。お言葉ですが……。もうそれやってます。ぼくのホームページへのアクセスぶっ飛んでますよ』
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