17 最初の救出

17/27
前へ
/383ページ
次へ
『シト。珠樹は大丈夫なの?』 「危険な状況だ。おそらく叔父といっしょにいる」 『だったら珠樹を先に助けて』 瑞樹の切実な声。言い終えた後に嗚咽が聞こえる。 「わかった。珠樹さんを先に助ける。作戦通り十一時になったら警察に電話して欲しい」 『わかったわ。珠樹のことお願い』 「心配するな」 義人はそう言うと一旦電話を切り、心霊ハンターの向井に電話をする。 『はいはい、スカンクです。どなたですか?』 スカンクは向井のチャットでのハンドルネーム。 『シトです』 『おぉ、シトさんですか。凄い情報ありがとうございます。っていうかこの串刺し幽霊なんですか? 本物みたいに見えますが』 「お願いがあります。ここの様子を撮影してネットに流して欲しいです」 『シトさん。お言葉ですが……。もうそれやってます。ぼくのホームページへのアクセスぶっ飛んでますよ』
/383ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1531人が本棚に入れています
本棚に追加