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『いや。何するの!』
そのときヘッドフォンから声が聞こえる。珠樹の声だ。
二人は慌ててDSの映像を確かめた。部屋はずいぶん明るい。雅也が電気を点けたのだろう。珠樹はジーンズを脱がされ太股が露わになっている。
『大人しくしろ。大人しくしてたら瑞樹さんには手出しをしない』
そう言うと雅也は、珠樹の上着に手をかけた。
義人は怒りに打ち震えた。許せないと思った。
「水原。走るぞ。右側の倉庫から中に入る。幽霊のことは気にするな」
たぶん水原も、珠樹を救い出したい気持ちは同じ。帽子を深くかぶり直すと「わかった」と言って駆けだした。
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