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「瑞樹さんは突き当たりの制御室です」
水原が声を落として言う。珠樹も二人に付いて先を急ぐ。外では朝日奈社長がやきもきしながら待っていることだろう。
義人は制御室の扉に手をかける。鍵はかかっていない。一気に扉を開くと中に入った。
「え? どうして」
そこには瑞樹はいなかった。水原のナビでは、瑞樹の位置を示す赤い点と珠樹を示すオレンジの点が重なっている。瑞樹のいる場所は此処のはず。
「まさか」
義人の表情が固まる。
「たぶんそのまさかです」
義人は頭を抱え込んだ。
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