1 密室

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 義人は軽くアクセルを踏むと、三河安城駅の北口を出た。  「瑞樹さんは安城に住んでるの?」  「わたし岡崎です」  「そっかぁ。JRで来たんだね」  「そうよ。新幹線の駅はないの」  瑞樹は僅かに目を伏せた。  義人の右手がミッションレバーに伸びる。そのすぐ脇に瑞樹の太股がピンと張ったまま伸びている。瑞樹は膝を縮めシートに浅く座っている。  「とっても可愛いよ」  瑞樹は義人の言葉に小さく微笑む。  「ありがとう。気に入っていただけて嬉しい」  瑞樹はそう言うと両手でミニスカートの裾を押さえた。その仕草が返って彼女の姿を淫らに見せる。スカートが股間に押し込まれ、太股の付け根間際まで露わになった。  「ちゃんと前見て運転してよね」  「ああ」  義人は信号が赤であることを確認し車を停止させる。  「この辺に、ホテルはあるの?」  「うん。次の交差点を右」  瑞樹はそう言うと義人の顔を覗き込む。二人は初めて間近で向き合った。  小皺も弛みもないぴっちりとした頬や目尻。細くしなやかな鼻。二重の大きな瞳と視線が交錯する。希に見る美少女だ。 .
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