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瑞樹は僅かに戸惑った表情を見せると視線を前に向ける。白いTシャツからブラが透けている。
「瑞樹さんはアパレル系で働いてるんだよね?」
「小さなブティックです」
瑞樹はそう言うと、背中をポルシェのバケットシートに深く沈めた。
「シトさんはこういうのよくするんですか?」
瑞樹がささやくような声で訊いた
「こういうのって?」
「出会い系で女の子と会うこと……」
「あぁ……正直言って初めて。段取りよくわからなくて」
「へぇ~。とても初めてには見えないです。ていうか、こんな風に会わなくても、すぐに彼女できるんじゃないですか? 細身でかっこいいし、それに優しそう」
「優しいは当たってるけれど他はそうでもないよ。彼女もいない」
瑞樹はちらっと義人の瞳を流し見ると恥ずかしそうに言った。
「私も彼氏いないです。リアルな関係っていろいろ面倒だし」
瑞樹はそう言うと左手をぼくの右足に乗せた。
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