765人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
真夜中の、風都タワー。
風を受けゆっくりと回る巨大な風車の上に、人影が立つ。
緑を基調とした肉体、風になびく白いマフラー。彼は人の形をした、人を超越した存在。ドーパントだ。
ドーパントの視線の先には、風都都市銀行がある。
「今夜で、最後だ」
風都都市銀行にある大量の金があれば、あの人を救う事ができる。しかし、今から行う事をあの人が知れば、きっと悲しむだろう。それでも……
「やるしかない」
あの人のために、人を捨てる。
ドーパントはその場から跳躍した。
最初のコメントを投稿しよう!