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空が明るくなりはじめた頃、一人の青年がアパートのドアを開けた。
帰宅した青年を見て、ベッドに横たわる女性は体を起こし微笑みを浮かべる。
「ただいま、義姉さん」
「お帰りなさい、優人君」
元気そうな義姉・黒埼雪子(くろさきゆきこ)の様子に、青年・黒埼優人(くろさきゆうと)も笑みを浮かべた。
「お仕事お疲れ様。いま、朝ご飯作るね」
雪子がベッドから立ち上がる。台所に向かおうとした時、彼女の表情に苦悶が走った。
「義姉さん!!」
地面に倒れた雪子に、優人は駆け寄った。
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