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闇夜に、ハイヒールの音が響く。
音の主は悠然とした足取りで、獲物へと迫る。
「み、み、見逃してくれ! 頼む、このとおりだ」
地にひれ伏す男に、淑女は冷ややかな視線を向けた。
「組織を裏切り、挙げ句の果てに命乞いですか……無様ですね」
小夜子がそう言うと、男は最後の抵抗を見せる。
《マスカレイド》
メモリを挿し、変化が起こる……はずだった。
「所詮、この程度か……」
男の首が、地面を転げる。
サーティーン・ドーパントに変身した小夜子は、大鎌に付いた血を払った。
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