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「勇」
「な、なんだよ……?」
まさか、こんな事になるとは……
「手、繋ごう」
ナナは猫なで声を出し、手を差し出す。
その仕草と表情……あまりの変貌ぶりに、勇は少し引いた。
二人は現在、ナナの日課であるトレーニングのため、公園に向かっている。勇と小夜子が、互いの力をぶつけ合った場所だ。
「ねぇ、繋ごうよー」
強気で素直じゃないナナのイメージが崩れていく。
だがまぁ……
「しょうがないな……」
嫌な気はしない。
勇は、ナナの手をそっと握った。
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