766人が本棚に入れています
本棚に追加
ベッドから体を起こす。それだけで全身に痛みが走り、勇は顔をしかめた。
「まだ、寝てないとダメですよ」
現在地は、勇の家。
勇の隣には……
「すみません……瑠花さん」
ナナはいない。
栗色の髪をしたナナの幼なじみが、椅子に座っている。
「手当て、ありがとうございます」
「いえ……それよりも、ナナちゃんのことをお願いします」
ナナを助けたいのは山々だが、立ちはだかる壁は果てしなく高い。ブレットメモリを奪われたいま、それが可能だろうか?
不可能という単語が、頭に浮かんだ。
最初のコメントを投稿しよう!