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厳しい戦いが何度もあった。その都度、勇を支えたのは、大切な人を守りたいという気持ち。
「ナナを、守りたいからです」
勇の瞳に強い意志が宿る。
それを見て、瑠花は微笑みを浮かべた。
「必ず、ナナちゃんを助け出して下さいね」
「はい。必ず」
勝てる勝てないなど関係ない。ナナを助け出す。そう決意した。
「うん。あとは、傷を治すだけですね。台所を借りてもいいですか?」
「え……あ、はい。でも、何をするんですか?」
「勇さんの傷が早く治るように、精がつくものを作ります。少し、待っていて下さいね」
そう言うと、瑠花は椅子から立ち上がった。
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