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決戦の夜。
深まる闇を、ファイヤーブレードのライトが払いのける。
体の傷はまだ、癒えてはいない。動く度に服の下で傷が痛む。それでも、勇はファイヤーブレードに跨がった。
「勇さん……気をつけて下さい」
見送りに来てくれた瑠花から、ヘルメットを受け取る。被る。準備は整った。
「いってきます」
アクセルを回す。エンジンが唸りを上げ、ファイヤーブレードが進む。
目的地は、公園。死神はきっと、そこにいる。
「ナナ、待っていてくれ」
黒のスポーツバイクが、夜道を駆けた。
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