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「待っていましたよ、勇君」
公園には、予想通り小夜子がいた。その隣には、ブラックダイヤモンドに包まれ生きる彫刻となった、ナナがいる。
「ナナを、返してもらうぞ」
言葉に決意を込め、瞳に意志を宿す。
それを見て、小夜子はため息を吐いた。
「貴方も、ナナさんと同じで愚かですね……いまの貴方では、私の足元にも及びませんよ」
「それはどうかな?」
勇はロストドライバーを腰に当てる。
ブレッドメモリと最愛の女性。二つの支えを奪われ、戦力は明らかに低下した。肉体も万全ではない。
だが、精神的なものは、過去の自分を凌駕している。恐れはない。
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