Sとの決着/闇を撃ち抜くモノ

6/24
前へ
/242ページ
次へ
「待っていましたよ、勇君」 公園には、予想通り小夜子がいた。その隣には、ブラックダイヤモンドに包まれ生きる彫刻となった、ナナがいる。 「ナナを、返してもらうぞ」 言葉に決意を込め、瞳に意志を宿す。 それを見て、小夜子はため息を吐いた。 「貴方も、ナナさんと同じで愚かですね……いまの貴方では、私の足元にも及びませんよ」 「それはどうかな?」 勇はロストドライバーを腰に当てる。 ブレッドメモリと最愛の女性。二つの支えを奪われ、戦力は明らかに低下した。肉体も万全ではない。 だが、精神的なものは、過去の自分を凌駕している。恐れはない。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

766人が本棚に入れています
本棚に追加