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「な、なんで……?」
夜の色が、彼女の存在によって明るくなる。
小夜子が闇なら、彼女は光。勇を惹き付ける、唯一無二の存在。
「助けにきてくれてありがとう」
「いや、俺は……」
助けにきたつもりだったが、逆に助けられてしまった。
「そんな顔をしないで。私は、嬉しかったよ」
彼女の白い指先が、勇の頬を撫でる。不思議と、痛みが和らいだ。
「忘れたの? 私はあんたの相棒。二人であいつを倒すよ」
彼女の、ナナの温もりが、欠けていたモノを埋めていく。
いつの間にか、血が止まっていた。
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