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深夜の高速道路。法定速度を無視して加速する車。運転手は思う、俺は誰よりも速いと。
加速する車に近づく影が一つ。それは瞬く間に、車の横に並んだ。
「何だあれ!?」
車と並走しているのは、光輝く怪物だった。
一角獣のような角に、刺々しいボディ。せわしなく動く二本の足は、速すぎて残像が見える。
「ふっ……この程度か」
怪物……ドーパントが呟く。ガラス越しの運転手には聞こえない。
「貴様にもう用はない」
ドーパントの手が斜めに振り下ろされる。次の瞬間、車は中央分離帯に激突した。
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