765人が本棚に入れています
本棚に追加
/242ページ
夜が終わり、朝がくる。
勇の家にいるナナは、彼の額の汗をタオルで拭った。
(私のせいだ……私のせいで、勇は……)
ナナは自分を責める。小夜子の言う通り、勇のパートナーに相応しくないかもしれないと、思ってしまう。
「ナナ……」
不意に、勇に名前を呼ばれた。うわごとのようだ。
「ナナ……ナナ……」
勇の手が宙をさまよう。
ナナは、その手を握った。
「勇、私はここにいるよ」
ずっと側にいる。そう言いたかったが、言えなかった。
ナナの温もりが勇の手に伝わる。彼は、落ち着いたような表情になった。
最初のコメントを投稿しよう!