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Ⅰ
あたし、桜小路 萠は、あくびをしながら、教室へ向かう。
教室の前に着く。
中は、ガヤガヤと騒がしい。
朝っぱらからうるさいなぁ…。
あたしは、そう思いながらスライド式の扉を開いた。
ガラガラ…
「おはよう…」
あたしが挨拶をすると、
「「おはよう!」」
と、いつものようにクラスの大半が返事を返してくれる。
いつもの日常…。
あたしが席に座ると、隣の男子が声を掛けてくる。
「はよ…」
「おはよ」
これもいつもの日常…。
あたしの平凡ないつもの日常…。
あたしは、桜小路 萠。
高2、17歳。
その時…
ボン!
何かが頭に当たる音。
「ったぁ~!!」
ボールがあたしの頭に当たった。
「クスクス…あ…わりぃ…わざとじゃねぇから…クスクス」
ム~ッ!!
コイツ…。
絶対わざとだ。
だって笑ってるもん!!
あたしは、軽くソイツを睨む。
あいつは、風間 郁斗。
あたしの男友達。
親がいない…。
だから少し哀れに思うと…
「おめぇが睨んだって恐かねぇよぉ~だ」
これだ。
「うるっさい!」
「おめぇのがよっぽどうるせぇよ」
…。
なんつうか…。
コイツは、あたしを怒らせる天才みたい。
「あんたは…うるっさいって言ってんのが聞こえないの!?」
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