1/16
11人が本棚に入れています
本棚に追加
/41ページ

あたし、桜小路 萠は、あくびをしながら、教室へ向かう。 教室の前に着く。 中は、ガヤガヤと騒がしい。 朝っぱらからうるさいなぁ…。 あたしは、そう思いながらスライド式の扉を開いた。 ガラガラ… 「おはよう…」 あたしが挨拶をすると、 「「おはよう!」」 と、いつものようにクラスの大半が返事を返してくれる。 いつもの日常…。 あたしが席に座ると、隣の男子が声を掛けてくる。 「はよ…」 「おはよ」 これもいつもの日常…。 あたしの平凡ないつもの日常…。 あたしは、桜小路 萠。 高2、17歳。 その時… ボン! 何かが頭に当たる音。 「ったぁ~!!」 ボールがあたしの頭に当たった。 「クスクス…あ…わりぃ…わざとじゃねぇから…クスクス」 ム~ッ!! コイツ…。 絶対わざとだ。 だって笑ってるもん!! あたしは、軽くソイツを睨む。 あいつは、風間 郁斗。 あたしの男友達。 親がいない…。 だから少し哀れに思うと… 「おめぇが睨んだって恐かねぇよぉ~だ」 これだ。 「うるっさい!」 「おめぇのがよっぽどうるせぇよ」 …。 なんつうか…。 コイツは、あたしを怒らせる天才みたい。 「あんたは…うるっさいって言ってんのが聞こえないの!?」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!