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「ちょっと、待ってくれよどういう事だよ!」
(振り返るな…)
「おい!俺が何かしたのか?おい!」
(振り返るな、振り返るな!!)
「…もういいよ!じゃあな!」
(え?)
女はとっさに振り返る。
男は女に背を向けて反対方向に歩み去る。
(ふうん…思ったより物分り良かった…)
いや、むしろもそっけなさすぎないだろうか?
でもそんなことはもう良い。
それはもう分かっていたことだから。
彼は、もっと私のことが好きだった。
私も、もっともっと彼のことが好きだった。
でも、それは昔のこと。
私の気持ちがもう以前のように彼を好きでなくなったように、
彼の気持ちももうそれほどでもなかったのだろう。
別れを切り出した側の女としては…
「もうちょっと…追っかけてくれてもいいじゃない…」
そんな理不尽な想いもないわけではないが。
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