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「また今度、な?」
「……うん」
優しく微笑んで、頭を撫でてやるとすぐに大人しくなるバカな女。
単純な生き物だ。
あぁ~、菜穂に会いたい。会いてぇ。
だけどクラスが違うから、学校で菜穂に会うことなんて稀だ。
……菜穂と同じクラスは、やっぱり無理か。
この学校は、成績順でクラス分けされている。
菜穂は一番頭のいいクラスのA組。
俺はビリケツのE組。
進学校とは言ってもピンきり。
ただでさえ受かるかどうかギリギリだったのに、A組になんて入れるワケもなく。
成績が上がることもなく。
おそらく俺は3年になってもE組のままだろう。
……でも。
ずっと菜穂と一緒にいたかったっていう想いは強くある。
「……菜穂」
思わず呟いてしまった愛しいその名を、隣のバカな女がしつこく誰か聞いてきたけど、めんどくさいから無視した。
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