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「サト、学校」
その凛とした声を聞くたびに切なくなる。
「ねぇ、起きなよ」
だけどその声が好きだ。
と、言うより何もかも好きだ。
その全てが。
「……起きないの? あたし一人で行っちゃうから」
「……待てよ」
「やっぱり起きてるんじゃない。早く準備してよ」
たった3日だ。
たった3日先に生まれたからと言って、高慢に姉貴面をする。
実際に血が繋がっているわけじゃないのに。
いや、だからこそかもしれない。
血が繋がっていないからこそ、菜穂は俺に“姉らしく”接しているのかもしれない。
血の繋がりがないという、どうにもできない壁を埋めるために。
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