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「おいおい、今から巻き返しか?
そりゃあ無理なんじゃないのかい。
このトランプの差を見てみなよ。
潔く降参しちまいなって」
男はとても嫌らしく言いました。
「大丈夫よ。あなたたちには負けないわ。
さあ、ゲームを再開しましょう」
そして後半。
少女の言ったことは本当になりました。
少女は、今まで負けていたのが嘘のように、どんどん自分のトランプを増やしていきました。
その勢いに、ここにいるすべての人間が目を丸くしています。
そして、ゲーム終了。
結果は驚くものでした。
前半で勝っていたはずのチームが、大差で負けていたのです。
見た目でわかるほどでした。
「くそ!
勝てると思ったのによ」
最初に出せと言っていた男が苛立ちを見せました。
「ふふふ。勝ったのは私ね。
じゃあ、罰ゲーム、やりましょうか」
「罰ゲーム?
なんだそれ」
「そうね、今回の罰ゲームはこれにしましょうか」
そう言って立ち上がった女の手には、巨大な鎌が握られていました。
そんなものは近くになかったはずなのですが、少女はしっかりと鎌を持っていました。
馬を真っ二つにできるような、巨大な鎌を。
「おい、その鎌で何をする気だ?」
男たちは少女から溢れ出す殺気に怖じ気づいていました。
「何って?
決まってるでしょ。
人を、刈るのよ」
その瞬間、少女は男たちにめがけて鎌を降りました。男たちはただ避ける間もなく、胴体を横に真っ二つに刈られたのです。
一瞬の出来事で、断末魔さえ聞こえません。
即死だったのです。
辺りは一瞬で吹き出す鮮血で真っ赤に染まりました。
胴体からは、さっきまで生きていた人間のハラワタが飛び出しています。
それを見ていた人間は、恐怖で絶叫をします。
中には耐えられず嘔吐する人もいました。
「これにて一回目のゲームは終了とさせていただきます。
皆さん、次は頑張ってください」
あの低い声のアナウンスがそう告げると、少女はうっすらと透明になって消えてしまいました。
とても愉快に微笑みながら…
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