梅と鶯

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 又十郎は、庭を見つめながら思案するのをとても好んだ。どれくらい好きかと言えば、陽が暮れるまで1日そうして居る事もあれば、仮に誰か訪ねて来たとしても、気付かないくらい安堵しきってるぐらいだからよっぽど気にいっているに違いない。 「どっこい!おー  咲いておるわ」 いつもの様に縁側に腰を下ろす又十郎。 庭先の梅の花は 少し遅い春を告げている
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