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穏やかな日和のせいか
徐々に心地好い静けさに
包まれていく中で又十郎はとても不思議な感覚に陥っていた。
「 ・‥ 。」
それは知り尽くした筈のこの屋敷が妙に懐かしく思えて仕方がない事だ。ここしばらく続いた合戦のせいかもしれない。
刀を膝元に置く
すると‥
何やら遠くから元気な声が聞こえてきた。
耳を澄ましていると
「やー!!兄上~あはは」
元気な男の子の声だ
「ははは・・」
笑みと共に
ゆっくりゆっくり
瞼が閉じ‥
横顔はとても穏やかな表情になっていた。
「えーん。」
また聴こえたぞ
今度は泣いておる
はて?最初の声より
ずっと幼い感じがするが・・さては兄が弟を泣かしたな
「 ふふっ 」
思わずにっこり‥
眠気混ざりの状態で
梅の木を見つめ
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