梅と鶯

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 これには流石の又十郎もはっとした。まだ眠そうな両目を擦り何度かぱちくりと瞬きを繰り返した。 視線の先には鶯がいた。 顔を見上げながら女の名を呼んだ。 「あーこれ 市よ  市はおらぬか?」 「‥あっ はい!   ただいま!」 屋敷の裏から繊細な声が返ってくる。そして一人の奥方らしき者が現れた。
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