梅と鶯

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 そんな想いが周りにも伝わるのか、空気は柔らかくなった。何だかそれはお湯で練った片栗粉の様にとても鈍く心地好い密着性を帯びている。そんな無重力な空間で互いの目線はしっかりと結ばれると、そこには形ではない愛情も結ばれた。 庭石は照れて苔にすがる。 このまま二人は動く事は無いのだろうか?そんな心配すらしてしまう光景 いや…このままそっとしてあげたいと誰しもが思う二人。 鶯までも鳴きかけた喉を小さく詰まらせた…  込み上げた感情はあらゆる感謝に変わり1日中叫び続けたと同じくらいに喉元を熱くとても熱くしていた。
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