梅と鶯

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ここで市について 少しばかり説明をしよう 歳は又十郎と差ほど変わりなく 落ち着いた控えめな言動に 誰しもが心を奪われた。 簪をあてられた長い黒髪が 色白な肌のせいもあり 一層栄えて見える 更には… 「私はこうして土に触れ  汗を流す事がとても  嬉しいのです。」 と 自らが近隣の住民に 畑仕事を勝手出る始末。 これには否応なしに 心が打たれる。 しかも畑仕事の最中ですら楽しそうに鼻歌を交えるものだからついつい耳に入ってしまい見入ってしまう‥ 仕事の合間には近所の子供を集め愉快な話をしてやる。 この様な者だから 皆が市自身の生き方に 何処となく惹かれるのも 納得がいくと言うものである。 近所では 才色兼備の     梅姫 様  と言われ愛されていた。
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