梅と鶯

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 この又十朗という男、只者ではなかった。いや圧巻なのは、その容姿からも容易に察する事が出来た。  背丈は、さほど高いと言う訳ではないのだが、まるで羅針盤の針の如く気迫を纏った両肩は、決して曲がる事無く尚且つ水平に保たれているのだ。さらには、威風堂々とした風格を持って蓮の上でも歩いているかの様な足運び・・ どれ一つ取ってもこの男を大きく感じるには十分であった。
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