ー赤い遺留品ー

8/15
前へ
/560ページ
次へ
 幾らカレンダーをめくったのだろう?気にする事さえ忘れてしまっていた。  ガタンゴトン  ガタンゴトン  どこか物寂しげな電車の音はその日も続いていた。  ゴトン カンカン  ゴトン カンカンカンカン  風の騒めきがとても哀しげに辺り一体を浸食した。 キ・キ・キ‥ キュ・キュキュキュキュキュ‥  遮断機の連結部分であるボルトとナットが 【軋み愛】を始める とても重濃などす黒い油が垂れては滴る。
/560ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加