ー赤い遺留品ー

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 静かに横たわる遺体であった。  驚くべき事にこの女性 も身元特定が出来なかった。  血液採取を行いDNA鑑定をするが該当無し・・  遺体の損傷が激しいのは多数の往来する車による物だと判明した。 闇夜にオブジェと化したその肉の塊を見ると特に顔の状態が酷かった。 生きていくのを躊躇うかの様に全ての歯は無くなってしまっていて破片すら残っていない もう生きる事すら過ちだったのだろうか?  所持品でもあれば話は早いのだが、それすら無いのだ。  目撃者はいないのか? 残念な事は残念ばかりを愛している  では…車は? そうだ何台も轢いているんだ! タイヤ痕すらありません‥  どうしようも無かった。
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