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すると出口の前に立っている女が、いきなり手を挙げ、
そしてチューリップ帽子を掴んだ。
あきら「なんだ…?」
女「ぅふふ。驚かないでね」
女はチューリップ帽子の中に手を入れ、
何も入っていないはずなのに、花を一本取り出した。
花は赤く、茎がトゲトゲしている。バラだ。
あきら「すげ!!マジシャンなのか!?」
女「うふふ。」
女は静かに、バラをあきらに差し出した。
あきらは取るような仕草をしたが、亮は首を振って、やめさせた。
しかし女はバラを差しのべたまま、動こうとはしなかった。
女「バラって綺麗よね。血の色だし、指がトゲに刺されば血が出てくるんだもんね。」
あきらは驚いた目で、女を見た。
あきら「バラいらないから
そこどけ」
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