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――考える事、数分間。
結局、金品も奪わず気を失っている奴には背を向け、家への帰路についていた。
帰路の途中、季節は3月である町の景色も冬から春に徐々に模様替えをしている。
時折吹く肌寒い風が制服の切られた隙間に入り込み、帝は体を震わせた。
上着がこんな状態だから周りの目線が自分に集まっている気がしてならないので走って帰ることにした。
その点、喧嘩してた場所から家まで近かったのは幸いだったのかもしれない。
家が見えてくる。
他の家とは違う、とてつもなく大きい家が。
いくつか家の特徴を挙げると
敷地総面積は東京ドームに匹敵。
プールもあれば温泉もあるリゾート顔負けの豪華さ。
子供に与えられるのは、部屋ではなく家。
カギなど使わず、声紋・網膜・指紋認証でのロック解除。
もちろん警備レベルも国内最高レベル。
そんな家に帝は住んでいる。
本当は、こんな所に住めるご身分じゃないのだが。
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