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ここは少し街から外れた廃工場地帯。
「オラァ!!」
怒声と共に人がドアを突き破り激しい音がしながら、いとも簡単に転がっていく。
転がっている人、いやこの場合は肉塊と言ってもいい。
大きさは約190cmはあるであろう大柄で柔道をやっていそうなガタイの良い体型の男が数メートル吹き飛ばされていた。
「…これで終わりか?」
壊れたドアを踏んで出てきたのは、皇 帝(スメラギ ミカド)。
彼は喧嘩で負けたことは無いと言われ、地元の暴走族を1人で壊滅させたなどの伝説から、周囲から"皇帝"の異名で恐れられていた。
そんな彼の噂を他県から聞いてきた輩が、喧嘩を売りに来たのだ。
しかし、その輩は判断を誤ったと言えるだろう。
「す……すみませんでした!!」
やはり喧嘩にもなっていない。
帝も初めから結末を予想できていた。
自分と対等に強いヤツがいないために湧き出てくる、この『感情』も。
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