三人の姫

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「…ん?」  帝は背中が些か風通しが良いことに気が付く。 「あれ?」  背中に手を当てると本来無いはずの切れ傷があった。 「まさか…」  急いで服を脱いで見てみたら、やはり上着がスパッと切れている。  それは切りかかれた時、完璧に避けたつもりが服を掠めており、制服の上着が切れていたのだ。  それを知った途端、髪の毛をかきむしり空を眺め、吠える。 「おいー!また文句言われるっ!!」  それも足で強く男の腹を踏みつけながら。  もはや鬼に匹敵するのではないかというほどの形相であった。
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