三人の姫

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 本当は平サラリーマンの家庭に生まれた、ただの凡人。  けど1つ他の家と違うのが、幼なじみに世界の"皇グループ"がいること。  よくお世話にはなっていたが、一番迷惑をかけたのが親を火災事故で亡くしてしまった時だ。  一瞬にして世界から隔離され孤独になった気がしてならなくて、なにもかもがどうでも良くなった。  それはもはや生きる価値を見失うほど。  そんな生ける屍と化した俺を助けてくれたのは、現在の当主である皇 源治(スメラギ ゲンジ)だった。 『なんだか元気が無いみたいだね、帝くん?』 『…』 『目に生気が無いな…これじゃ死んでるのと一緒じゃないか』 『はは…そうかもしれません…本当に僕も一緒に死にたかった』 『なら死ねばいい』 『…え?』  あまりに冷たい言葉に俺は顔を上げた。
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