三人の姫

8/39
前へ
/39ページ
次へ
『君が言ってるのは、ただの理屈を並べて自分を正当化してるだけだ。本当に死にたいのなら幾らでも死ねたはずだろう?』 『…』  返す言葉が無かった。 『甘い、甘すぎる。そんな簡単に「死ぬ」なんて言うもんじゃない、生きるためにもがいて、絶望して初めて生きる意味を見失って「死ぬ」というのなら。百歩譲ろう』  俺は、また下に目線を逸らす。 『それに親を亡くしたぐらいで死にたいなんて、よくそんなチンケな考えが出てきたね。それは卑怯だ、名前が泣いている』  俺は睨む。  こんなボロクソに言われていいのか?  卑怯?俺が卑怯だって言うのかよ?  いくら偉い人だからって、そんなに言っていい事じゃねえ  俺は強く睨んだ。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加