三人の姫

9/39
前へ
/39ページ
次へ
『やっと目に生気が戻ったね』 『は?』 『いつも元気な君がそんなんじゃ嫌だからね』  ああ…そうか  俺は上手く乗せられたのか…… 『いまを生きたいと思うかい?』  少し迷った。  すぐに生きたいと言ってしまえば楽になれるのと同時に、前の自分が否定されるようだった。 『微妙……ですかね』 『なら「生きたい」と思えるような人生にするように努力しなさい』 『したいのは山々なんですけど、だいぶ辛くなりそうです』  微かに笑われた 『私の力を見くびってもらっちゃ困るな』 『入ってきなさい』  部屋のドアが開けられて入ってきた3人の女性。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加