449人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女は少しスレた女子高生だった。
母子家庭で、母親がスナックを経営している典型的な家庭環境。
もちろんその家は田舎のスナックに相応しく、1階が店、2階から上が居住エリアになっている。
彼女は部屋の出窓から海を眺めるのが好きだった。
そこに化粧品を並べ、装いながら。
それは母親が昔口ずさんでいたラブソングの、その歌詞を真似ているのだ。
そうやって恋に憧れる彼女は、スレているわりに意外と真面目で。
周囲の評判のわりには、純情だった。
そんな彼女はある日恋に落ちる。
この小説はその恋物語。
彼女は篠原今日子、17歳。
高校2年生。
最初のコメントを投稿しよう!