プロローグ

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彼女は少しスレた女子高生だった。 母子家庭で、母親がスナックを経営している典型的な家庭環境。 もちろんその家は田舎のスナックに相応しく、1階が店、2階から上が居住エリアになっている。 彼女は部屋の出窓から海を眺めるのが好きだった。 そこに化粧品を並べ、装いながら。 それは母親が昔口ずさんでいたラブソングの、その歌詞を真似ているのだ。 そうやって恋に憧れる彼女は、スレているわりに意外と真面目で。 周囲の評判のわりには、純情だった。 そんな彼女はある日恋に落ちる。 この小説はその恋物語。 彼女は篠原今日子、17歳。 高校2年生。
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