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どのみち誰かが彼女のように、しっかりした性格の持ち主となったのだろう。
とりあえず学校に在籍していたのならアイドル女学生間違い無しの奏である。
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「なんだ、本当に依頼なんですね。そういえばこの女の子、かなり際どい服装してますからね」
「やっと分かってくれたか……はぁ」
げっそりとソファーで肩を落とす白百合。
それに対して奏は白百合のメモに目を通す。
「このクラブは確か暴力団が経営してる店だったかな」
「暴力団の?ふーん、じゃあ本当に薬を流してるのか……」
写真の中の少女を思い浮かべ、残念だと思った白百合だったが、奏は付け加えた。
「いや、最近薬物の流通ルートが五つ潰れて、どこの暴力団もヤクザも薬不足だって情報があるんだけど。あたしが知る限りに置いてはシフトの暴力団にはもう薬の流通ルートも無くて、その組長も何ヵ月前に逮捕されたんで、もう倒産すんぜんだとか」
言いながら先に立ち上げたデスクトップパソコンのネットニュースに件(くだん)のニュースを出す。
「ふん、となると。新田しずかの言ったことは……。でもこの暴力団が他のところから別の組から買い付けてるとかは?」
「そりゃないよ。暴力団は決して共闘することはないの。無いなら奪う。弱肉強食の社会に彼らは居るからね。最近の報道される暴力団員の死傷事件はすべてその類い、東京のヤクザや暴力団の弱小どころはあらかた掃討されてさ、今は城外組ってヤクザが最大勢力で唯一と言っていいくらいに薬の流通を独占してる」
すらすら話ながら奏はキーワードを打ち込み、検索をすると怪しげな雰囲気のページに飛んだ。
「今はネットも警察に監視されてるから不用意にネットが使えない。でもネットワークは無限に拡張出来る。人の作りし宇宙だとか、どっかのネットオタが言ってたな」
呟きながら、奏はページをスクロールし上のページを無視して真っ黒な下の方を画面に移した。
「そんでその拡張された宇宙は別次元でも作ることが出来る。簡単に言うならネットワークから外れて、別のネットワークを作る。こうやって回線を切って既存する世界から離脱する」
言う奏は裏の配線の中からネットワークケーブルを抜いた。
これでこのパソコンは誰からの干渉も受けなくなった。
それは奏の言う一つの世界からの離脱と言えた。
「で、次のステップ。別次元へは通行する一定条件が必要ですが━━━」
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