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――――朝。
華恋は、何時もより少し早めに、会社に着いた。
昨日雛に話した事が、引っかかっていて、眠れなかった…。
「お早う。伊藤華恋。」
その聞き覚えのある声に、振り返る。
「川野主任。お早う御座います…随分早い出勤ですね?」
「ああ。ウチの部署は役立たずばっかりだよ。」
…また怒ってるんだ。
今回は誰が犠牲者なのかな?
「華恋、コーヒー。」
って…呼び捨てですか?
「はい、どうぞ。主任…―――。」
あたしの手からカップを取り上げ、碧の手が頬に当たっている…。
ひんやりと冷たい感触―――
「華恋…可愛いな。」
はははい??
「しゅ…主任?あの…?」
どうしたらいいのか、困っているあたしに気づいた碧は、笑いながら言う。
「わりぃな。びっくりしただろ?」
そりゃあ…。
正直心臓バクバク言ってますよ。
「あの…?主任?あたしに何かミスがありましたか?
…恐る恐る聞いてみる。
「華恋はねぇよ。あってもお前の事は怒ったりしねぇ。」
…??
どういう意味に取ればいいんだろう??
「主任?」
「碧でいいぜ?誰もいねぇしな。」
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