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嬉しい…?
あたしの気持ちは、碧さんにとって迷惑なんだ、と思ってた…――
なのに…?
「華恋、仕事終わったら呑みに行こうか?」
「え…?」
「あたしとじゃ嫌か?」
「そんな、嫌な訳ないじゃないですか。」
寧ろ嬉しいよ~…。
「あはは。じゃ決まりな。」
「はい。」
就業時間を、これほど待ち焦がれた日はなかった…―----。
陸との待ち合わせですら、こんな気持ちにさせてはくれなかった。
あたしにとっての、碧さんは
『憧れ』
そう。
その言葉がぴったり当てはまる人。
…これは恋心じゃないの?
違う。
ただの思い過ごしだよね?
…――――――
「わりぃな。待っただろ?」
…―――30分はそこに立ってただろうか。
「いえ、あたしも今来たとこですよ。」
「そっか。行こうか?あ~…何処がいい?」
「特には…。メニューの多いとこがいいな。」
「じゃ、居酒屋か。美味い店あるんだ。」
「主任に任せます。」
「任せるのはいいけどさ、仕事じゃねぇんだ。碧って呼んでくれよ?華恋?」
「碧…?呼び捨てで?」
「いいじゃん。あたし達友達だろ?」
「友達…そうですね。」
…あたしの感情って
『友達』
なのかな…?
「華恋、ここだよ。」
「碧さんらしいお店ですねぇ。」
「だから敬語やめろって、言ってんだろ?」
「・・・いきなりは、ちょっと抵抗ありですよ~。」
「じゃあ、とことん呑もうぜ、な?」
「それはOK!行きましょ。」
・・・・-----ふたりの姿が店の奥に消えてゆく。
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