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「華恋、何飲む?」
「取りあえず生ビール。」
「じゃああたしも。生ふたつお願い。」
そう言ってから、碧はポケットから煙草を取り出した。
「あ、煙草いいか?」「あたしも吸うから、大丈夫。」
碧の煙草・・・。
セブンスター・・・------。
陸と同じだ。
「華恋、乾杯しよ?」
「何だか会社とは別人だね?」
子供みたいにはしゃぐ碧にそう言った。
「あたしさ、こんな性格だろ?女の子同士でこんな風に話した事ないんだ。」
ふっ・・・と、寂しそうに言ってから、紫煙を吐き出した。
「あたしが・・・いるじゃない。もうひとりじゃ、ないよ?」
その夜あたしは、陸の悪口を散々碧にしゃべっていた。
碧はけらけら笑いながらも、ただあたしの話を聞いているだけで、自分の事は何一つ、話しはしなかった。
「・・・ここ何処・・・???」
見覚えのない部屋。
隣りに眠っているのは・・・。
碧??
あたし。
また潰れちゃったのかぁ~・・・。
華恋はあまり酒に強くない。
のに、飲みだすと記憶がなくなるまで呑む癖があった。
そっとベッドから抜け出して、財布だけ持って近所のコンビニに走った。
昨夜の化粧も落としてない。
それから・・・。
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