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「クロか。別に出てきてもいいのに。どうせ菫にはみえないだろ?」
「クロではない。黒焔-こくえん-という名が我の名前だ。全く主はいつになったら正しく我の名を呼ぶのだろうな・・・」
半ば諦めたように、そう呟いた黒焔は慣れたように翼を軽く羽ばたけ、空中に浮いた。
空中といっても、場所は茜の部屋。
少しだけ浮いたという表現のほうが正しいだろう。
「にしても、やばいな~期末テストは受けなきゃマズかったな・・・・あー追試ですめばいいけどさ」
そう、今日は絶対に学校に行かなければいけなかった大切な日。
それにもかかわらず、茜は寝過ごしてしまっていた。
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