闇の世界

9/18
前へ
/251ページ
次へ
「クロか。別に出てきてもいいのに。どうせ菫にはみえないだろ?」 「クロではない。黒焔-こくえん-という名が我の名前だ。全く主はいつになったら正しく我の名を呼ぶのだろうな・・・」 半ば諦めたように、そう呟いた黒焔は慣れたように翼を軽く羽ばたけ、空中に浮いた。 空中といっても、場所は茜の部屋。 少しだけ浮いたという表現のほうが正しいだろう。 「にしても、やばいな~期末テストは受けなきゃマズかったな・・・・あー追試ですめばいいけどさ」 そう、今日は絶対に学校に行かなければいけなかった大切な日。 それにもかかわらず、茜は寝過ごしてしまっていた。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加