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「アリス、どうかしたの?」
アリスは涙目になった瞳を仮面の男に向ける。
表情は分からないものの、男の声で自分を心配しているのだと分かる。
「…チェシャ猫さん、だったわよね?」
「チェシャ猫でいいよ」
「……じゃぁ、チェシャ猫 あなたは一体何者なの?」
「僕はチェシャ猫」
「………」
アリスは今度は呆れた瞳をチェシャ猫に向けた。
「…名前じゃなくて、あなたが誰なのかを知りたいの」
「僕はチェシャ猫」
「……」
チェシャ猫が余りにも話を理解してくれないことに、アリスは更に脱力する。
「私が知りたいのは「バンッ!」
また、言おうとした言葉は意気なり開かれた扉の音に邪魔された。
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