狂った時計の針

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暗かった部屋が本物の月で明るくなる。 そして、暗かった少女の視界がはっきりしてくる。 少女の目の前には白い仮面に顔が隠れた黒髪の男が立っていた。 「なんで、私の部屋にいるの!?」 「迎えに来たんだよ、アリス」 「…なんで、私の名前を…それに、迎えに来たって…?」 後ずさりしながら、チェシャ猫と名乗る怪しい仮面の男から離れる 「迎えに来たんだよ。アリス、君には赤ウサギを追いかけてもらわなくちゃいけない」 「……赤ウサギ?…追いかけるって……」 何? こ、これは夢? 現在……? 「夢じゃないよ、アリス」 「──っ!?」 私の頭の中が読めるわけ!? 余計に怪しく感じたアリスは、また一歩、仮面の男から離れていく
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