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「これをな、ばあさんに届けてほしいんじゃ」
そう言って、腰のあたりをごそごそやって、白い手紙をぴらっと差し出した
受けとったそれには、赤いハートマークがついていた。ぼくはがっかりしてしまった
「ラブレターをわたすために、ぼくを呼んだの?!」
おじいちゃんは真っ赤な顔をして、ぼくをこづきまわした。照れるような年じゃあるまいし
ていうか、死んでるし
「じゃあ、ツボもニワトリもいないんだ」
「世の中、そんなウマイ話があるもんかい」
そして、ぼくに向かってニヤリと笑った。おじいちゃんは昔っからイジワルなのだ
「そのかわりに、これをもっていけ」
そう言うと、カラッポのリュックサックを拾い上げ、つやつやで青々としたそら豆をいっぱいに詰めた
「じゃあ、たのんだぞ」
そう言うと、おじいちゃんはぼくを雲の上からつきおとした
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