4人が本棚に入れています
本棚に追加
ホワイトクリスマス。そんな事が現実に起こるなんて、ほとんど無い。
現に、ここ東京では、雪の降る気配なんてまんじりとも感じさせないドス黒い雲が、聖夜の夜空にひしめいている。
夜の街は、至る所にクリスマスの文字。
街路樹は色とりどりに光り、点滅していた。
凍てつくような気温にもかかわらず、男女の2人組が、帰宅する様子もなくそこら中を徘徊している。
クリスマスというだけで街の雰囲気は変わり、まるで別の街に来てしまったような錯覚に見舞われる。
俺はそんな桃色の街を突っ切るかのように、家路を急いでいた。
手には衝動買いをしてしまった山盛りのフライドチキンが入ったビニール袋。
もちろん家族と食べる為に買った訳じゃ無い。
最初のコメントを投稿しよう!