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俺は逃げる様に公園から立ち去ると、人気の少ない路地に入った。
カップル達の耳障りな会話も、クリスマスのテーマソングも次第に聞こえなくなり、
静寂の中で俺の足音だけが響いている。
住宅から幸福の象徴であるかのような、
家族の笑い声が聞こえるが甘い囁きを聴かされるより遥かにマシ。
さて、早く帰って肉でも食べよう。クリスマスの特番でも見ながらな。
俺はそんな事を考えながら、路地を歩き続ける。
そして細く暗い路地を何の気無しに右に曲がった。
それは突然で、予期しない事。でもどこか御約束のように……
これを聖夜の奇跡と言うべきか……
それとも運命のターニングポイントと言うべきか……
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