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二年生最後の夏。僕達は修学旅行でアメリカへ行った。
「旅費が高い」と姉さん達はこぼしていたがそれでも笑顔で送り出してくれた。
十日間の旅。長いようで短かった。
「はぁーやぁっと帰れるぜー!!」
なんて声を漏らす奴もいた。
飛行機内。大体あと十時間位で日本に帰れる。
僕自身、帰るのを楽しみにしていた。
「楽しかったねー」
「そ、そうだね」
「アメリカなんて初めてだったから興奮しちゃった」
「…………僕だって、海外旅行は、は…初めてだよ。飛行機に、の、乗ったのも……初めて」
そんな他愛もない話をしていると……
「っ!?」
機内に衝撃が走る。大きな揺れと共に窓の外が眩い光に包まれる。
突然起こったそれは皆を混乱させた。機内はパニックになる。誰かの絶叫。悲鳴。
そして再びの震動。機体が大きく揺れ、その際に頭をどこかに強く打ちつける。歪む視界。突然の浮遊感に襲われ何が起こったのかも解らず僕は意識を手放した。
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