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「さて、まずは君の名前を教えて欲しい」
「ぼ、僕ですか?……は、萩山……勇弥……です」
「よし、私はアズサ・エレグロニッヒ・スーン。アズサと呼んでくれ……とりあえずは宜しく」
「…………よろしくお願いします」
少なくとも、日本人ではないようだった。飛行機が墜落して、今頃世間は大騒ぎになっているはずだ。
「次に、君はここが解るか?」
彼女は下を指差す。つまり自分にここ、今自分がどこにいてどんな状況に置かれているのか。それを尋ねているのだろう。勇弥は首を捻りながら言った。
「わ……解りません」
「出身地は?」
「に、日本……東京……です」
「……科学世界、か」
「?」
「いいか勇弥、落ち着いて聞いてくれ」
「……」
「ここは君の住んでいる世界ではない」
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